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1/2 松本イオンモールの計画を受け、まちづくりを考える

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                                2014年1月8日 現在

1/2 松本イオンモールの計画を受け、明日のまちづくりを考える
 
                                                                                          

1 与条件・現状  ‥ 東京都 東久留米市のイオンモール視察報告
      この項は、2013.09.06芝山稔氏のブログを拝借しました。アンダーラインは筆者。
        http://shibayama.main.jp/subindex/shibayama_blog.html
 
   

  イオンモール開発計画の公表が迫りつつあるようです。2016年秋の開業を目指す中で,残る期間は3年。そろそろ計画発表のリミットというのがもっぱらの見方。
  巷では,設計事務所や学習会などの民間レベルで,望ましいイオンモールの姿を描き出しています。これはイオンモールと中心市街地の在り方や,松本の歴史文化に根差した新しいまちの姿はいかにあるべきか,といった考えを敷衍させて考え出されたもの,ということができるでしょう。当該学習会ではなんと3D画像まで作ってしまいました。新たなイオンモールを形成するうえで重要なファクターが,「カフラス」と「生物科学研究所」です。この二つの工業遺産は,松本の歴史の証明であり,これを活用することで歴史に立脚した新たなまちを形成することができるのです。一方,イオンモールとしての考え方は現時点イメージ図に止まっています。

  私たちの会派で東京都東久留米市にあるイオンモールに実態調査に行ってきました。ここは商圏や店舗面積など松本と近いことから選定したものですが,強い印象としては,「何でもそろうスモールタウン」という感じでした。まさにイオンタウン。つまり,イオンモールに中に一つのまちが形成されているのです。日用品はもとより,飲食,育児,託児所,医療機関,薬局,緑豊かな公園や,ジョギングコースまで併設されていました。平均滞在時間は1時間10分ということで,すぐ帰る人がいたとしてもその逆で3時間滞在する人もいるということになります。すごいものを見てしまった印象です。
  さらにテナントは多ければ多いほど儲かる,ということで150店舗は欲しかった(実際は130程度)と店長が述懐しておりました。仮にこうしたイオンモールができれば松本市のみならず,松本商圏のほとんどの人はイオンモールへと吸い込まれていくでしょう。そうなってしまっては地元,駅前,商店街,に深刻なダメージを与えることは火を見るよりも明らかです。

 それぞれの関係者,特に商店関係者にはもっと危機意識を持って,ただ反対のノロシを上げるだけでなく,仮にこうした店ができた場合自分たちとして何ができるのか,真剣に考えることが必要と考えます。
「演技座マンション」は地元反対を押し切って現在建設中です。できる前,できてから,をイメージした戦略的取り組みが必要です。



2 一つにまとまっていない地元意志

ア 松本市の中心市街地について具体の将来イメージが描けていないこと、これが最大の問題。
イ 想定される開発案に賛成なのか反対なのか、開発者に何をどう要望したいのか等々、松本市としてのまとまった見解が形成されていない。
ウ この状態で自治体が開発者に、漠然とした誠意ある対応を要望するなどは、松本市を愛する市民として大いに心もとない。

2-1 市民、市民団体の姿勢について 
ア 旧市の衰退を心配しているなどの、有意の市民は多くない。
イ 無関心層を含め、モールを楽しみにしているのが一般市民と思われる。

2-2 業界関係者の姿勢について
ア 長期低落傾向の続く中心商店街にあって、商工会議所を含め商業者たちはイオンモールの開発に際し、これを契機に協調しながら、共に「まちづくり」に取り組もうなどという前向きな発想が見られない。
イ 商業者たちが計画に伴い市街地の交通渋滞を心配してみても、市民には結局自分たちの売り上げにこだわっている程度のことと思えてしまう。
ウ そのため、歴史ある城下町松本の「まち」の重要性を切り口に、市民や消費者、観光客などを味方につけることができていない。

2-3 自治体の姿勢について
ア 都市の主体者、都市そのものを体現する当事者・代表者としての真剣さが感じられない。その理由が法の執行者として、法に縛られているゆえ、だけとも思えない。
イ 各市民団体や業界団体、マスコミが騒ぐからそれなりの対応は必要と、他律的に動いている。



3 都市の代表として首長と議長が開発者と協議すべきポイント
ア 都市総体(広義の市民*1)として明確な考えがあれば、説得力のある交渉が出来る。
イ 市民に共有された明快な都市ビジョンがあれば、開発者も企業市民として行政と手を携え、松本の価値を高める企業市民となるはずだ。行政が確固たる主体者として信頼できれば、開発者も、はじめからそのビジョンに沿った投資を考えるはずだ。
  明快な都市ビジョン 潜在的に同調する市民の多いテーマである。(1/8(水)今日は箇条書きをあきらめました。)
ウ 市と開発者が相互信頼に立てば、双方が協力して都市全体としてのプラス効果が得られるはずだ。
*1 市民、市民団体、企業、業界団体、大学、観光客等
*2 都市住民の意志 ‥


4 開発者に対し、松本市(広義の市民)としてすべき提案 

4-1 まちづくりの協約を申し出る
  松本市を評価し、巨大投資を図るイオンモール㈱は、松本市に極めて影響力の強い企業市民になる。都市総体としての魅力を高め、サステイナブルな松本市を維持することで共存共栄を図るべく、強力な企業市民となるのである。
よって市は、市も一緒になって当計画及び都市づくり全体に協力していく協約を締結してほしいものだ。

4-2 要望事項
ア 中心市街地全体を視野に、共栄に向える開発という視点に立つ。
イ 今後の人口減少を視野に、都市総体としても持続可能な穏やかな開発とする。
ウ 多くの建物で街を形成する。
エ この計画を、青空・水・緑など自然を取り込み、「アルペン都市・健康都市、城下町松本らしい都市観光リゾートづくりのきっかけ」となる計画と捉えてほしい。



5 これを契機に市も一体となって、国内外からの新たな来街者が生み出される新しい都市を創る(具体の考察)
5-1 松本市のロケーションから考える 
・松本は、多様な旅やドライブが展開できるハブ的位置にある。同じ旅路を戻る必要はない。
・松本に着いたときから、思いもよらなかった新しい旅先に変更することもできる。

ア 日本の真ん中にあるアルペン都市・健康都市を感じさせるイオンモールと、城下町松本を感じさせる観光リゾート都市の相乗性を発揮する

イ 国内外の旅行者に対し、旅程がすべて印象深い旅を発信する。 (資料1) 
ア) 車旅  ‥途中で立ち寄りたくなる観光スポットとの連携を図る
(例)東京 ←→ 個性的な赤城山の山並みを見ながら軽井沢(浅間山) ←→ 善光寺 ←→ 姨捨捨 ←→ 松本
イ) 列車の旅‥展望列車やお座敷列車、鈍行列車の旅
‥憧れの列車の旅、車中飽きない旅の工夫 
パノラマ車両 オープンデッキ 食堂車 車内販売の工夫等

5-2 新しい訪問客が生まれるような街づくり ‥あらゆる街機能の検討
ア イオンモールのまちづくり  テーマ:アルプスと(お城と)創造のまち
ア) ハード
    ・ 施設
  超広域観光圏まで含めた観光情報拠点(ジオラマ,仮想体験施設) 大学のサテライトキャンパス  学習塾 貸事 務所 集会スペース ガラス工房(見学と体験教室)→織物、陶芸、道路の東にスーパー銭湯と宿泊施設、内外からの修学旅行の誘致  
    ・ 自然
池、せせらぎ、ホタル、唐松・白樺・クヌギ・竹の林、星空
イ) ソフト
 映画のロケやチャペルのファミリーウエディング他、各種イベントの日常的開催
・ 新しい祭・フェスティバル、広場や路上でのコンサートなどのイベント、ストリート ミュージシャン、ストリート   画家、ちんどん屋などのパフォーマンス、その他バザール、不用品交換市など
・ テレビ松本・FM松本・長野放送など、共同出資のオープン スタジオ

 イ 中心市街地  テーマ:アルプスとお城と創造のまち  
     ‥ 

6 その他 
都市計画法と自然法 法に基づく権利について
お上から舞い降りてきた法で正当化される権利や用途制限・高さ制限などの法規制よりも、優先されるべきものがある。
新しく建物等を作るとき、街並み景観などに配慮するのは当たり前のことである。特に新参者の場合、そのまちを形作ってきた地場の人たちに敬意を示してその一員となるのは、人類が定住を始めて以来の礼儀であろう。その礼儀は、自然法の類のものであり、上から降ってきた法以上の法的重みがある。

都市の存在意義  
街に出て来る究極の話は、リアルで人に会いたい。めかしてまちを歩きながら、見たり見られたりしたい。そんな昂揚感のなか、やはりおめかしした友人と待ち合わせたり、久しぶりの友人との出会いを楽しみたい。思ってもいなかったことや人に出合いたい。ものの購入もネット社会に組み入れられるなどにより都市の存在意義は薄れているが、その中で最大の存在意義は「はハレの舞台空間」にあるのではないか。
直接会いたい。折り入った話をしたい。久しぶりに会って、皆で盛り上がりたいという需要は常にあり、晴れやかなレストランやカフェなど飲食の場が利用される。
* 起源(物と情報の交換):隊商と商都、集住地の広場で定期市 常態化:バザール&露店 その他、隊商への水・食糧補給・宿泊等の供給地と、王の都が考えられる。



(資料1)国内外の旅行者に対し、旅程がすべて印象深い旅を発信する。
 ( )内は気になる観光資源等、 、、内は中継点・結節点・始発等
ア) 車旅  ‥途中で立ち寄りたくなる観光スポットとの連携を図る
東京 ←→ 個性的な赤城山の山並みを見ながら軽井沢(浅間山) ←→ 善光寺 ←→ 姨捨捨 ←→ 松本
東京 ←→ 軽井沢 ←→ 草津温泉 ←→ 白根山 ←→ 志賀高原 ←→ 善光寺 ←→ 松本 
           ・・・草津温泉 ←→ 上田市 ←→ 鹿教湯温泉 ←→ 松本
新宿 ←→ 低山帯 ←→甲府盆地 ←→ 八ヶ岳(アウトレット 原村等) ←→ 諏訪湖 ←→ 松本
・・・ 茅野 ←→  バードライン ←→ 松本
大阪・京都・名古屋方面 ←→ 駒ヶ岳(アジア一のケーブルカー) ←→ 諏訪湖 ←→ 松本
名古屋方面 ←→ 下呂温泉 ←→ 高山 ←→ 松本
名古屋方面 ←→ 飯田 ←→ 駒ヶ岳 ←→ 松本
名古屋方面 ←→ 妻籠・馬篭 ←→ 奈良井宿 ←→ しののめの道(東山道) ←→ 松本
金沢・富山 ←→ 世界遺産 白川郷 ←→ 高山 ←→ 上高地 ←→ 松本
           ・・・ 高山 ←→ 開田村(御嶽山)←→ 奈良井宿 ←→ 松本
富山 ←→ 立山アルペンルート ←→ 大町温泉郷 ←→ 松本
糸魚川 ←→ 白馬 ←→ 高瀬川堤防道路・アルプス山麓道路 ←→ 安曇野 ←→ 松本
新潟 ←→ 妙高・黒姫・飯綱山 ←→ 善光寺 ←→ 明科トンネル ←→ 松本

イ) 列車の旅 ‥展望列車やお座敷列車、鈍行列車の旅
東京駅 ←→ 新宿 ←→ 甲府盆地(富士山と八ヶ岳) ←→ 諏訪湖 ← → 松本
名古屋方面  ←→ 多治見(陶器) ←→ 木曽福島 ←→ 松本
金沢 ←→ 上越 ←→ 長野 ←→ 安曇野 ←→ 松本
糸魚川 ←(ジーゼルカーと列車の旅)→ 白馬 ←→ 大町 ←→ 安曇野 ←→ 松本